ビタミンCでニキビ対策! 〜ビタミンCが隠れ炎症を鎮めてニキビを根本から防ぐ〜

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にきびは、思春期から大人まで、多くの方が悩まされる肌トラブルのひとつです。「赤くなって痛くなってからがにきび」と思っていませんか? 実は、見た目に変化が出る前から、お肌の中では“炎症”がひそかに進んでいます。これこそが、にきびの“始まり”です。

ではその炎症を食い止めるにはどうしたらよいのでしょうか?
その鍵となる成分が、実は「ビタミンC」なのです。

本記事では、医学的根拠と美容皮膚科の視点をもとに、なぜビタミンCがにきびの予防に有効なのかをわかりやすく解説していきます。にきび治療の理解が深まりますので、にきび治療の基本ガイドも併せて読んでみてください。

目次

にきびは見えないところから始まっている!

にきび(ニキビ、尋常性ざ瘡)は、皮脂が多く出て毛穴が詰まり、そこに菌が繁殖することで赤く腫れ炎症が起きると考えられてきました。しかし最近の研究で、目に見える「にきび」ができる前から肌の中で炎症が始まっていることがわかってきました。

この“炎症”とは、体が異常に反応してしまう状態。まだ赤みも痛みもない毛穴の奥でも、すでに肌を守る細胞たちが戦い始めていて、その戦いの中で「炎症性サイトカイン」という物質が出て炎症が始まります。

肌に炎症が起きると下に書いたような悪循環が生まれ、肌の状態が不安定になり、にきびが進行しやすくなってしまいます。

  • 炎症性サイトカインが発生する
  • 毛穴周辺の細胞がダメージを受ける
  • 皮脂の酸化が進む
  • 細菌(特にアクネ菌)が繁殖しやすくなる
  • 炎症を悪化させる「サイトカイン」が更に増える

つまり、「目に見えるにきび=氷山の一角」であり、実際にはその下に広がる見えない炎症が本質的な問題だということを示しています。

炎症と活性酸素の関係:肌の内部で何が起きている?

炎症が起こると、同時に発生するのが「活性酸素」という分子です。これは本来、ウイルスや細菌と戦うために必要なものですが、過剰に発生すると自分の細胞まで傷つけてしまいます。

肌において活性酸素は、次のような悪影響をもたらします。

  • コラーゲンを破壊し、ハリを低下させる
  • 色素沈着を引き起こす
  • 細胞の自己修復力を落とす

このため、活性酸素をいかに取り除くことできるかが、肌トラブル回避の鍵になります。この活性酸素の除去に重要なのがビタミンCとなります。

ビタミンCとビタミンC誘導体とは?

ビタミンC(アスコルビン酸)は水溶性ビタミンで、私たちの体内では作り出すことができません。このため、食事やスキンケアを通じて外から補う必要があります。ビタミンCの働きは多岐にわたり、最近になっても新しい働きが見つかっています。最新の研究で明らかになった働きはこちらに詳しく説明していますので、是非ご覧ください。

ビタミンCの働き

  • 抗酸化作用:活性酸素の除去
  • コラーゲン生成のサポート
  • メラニン生成の抑制
  • 炎症の抑制:サイトカインの働きを抑える
  • 傷の修復促進
  • 遺伝子のスイッチ調節

いろいろな働きがあるビタミンCですが、ビタミンC自体は非常に不安定なため、空気に触れたり光や熱にさらされると酸化してしまい、本来の効果がなくなってしまいます。このためスキンケア目的にビタミンCを補うためにはビタミンC誘導体が用いられます。ビタミンC誘導体は、ビタミンCになる前の成分です。ビタミンC誘導体をお肌に塗ると、体内の酵素によってビタミンCへ変化し、抗酸化作用や美白作用など、ビタミンC本来の作用を発揮します。代表的なビタミンC誘導体にAPSがあり、ニキビの治療・予防に効果が期待されています。

医学研究が裏付けるビタミンCの抗炎症作用

2015年に発表された論文で、にきび治療におけるビタミンCの重要性が報告されました。論文は皮膚科学分野の学術誌『Archives of Dermatological Research』に掲載されたL-Ascorbyl-2-phosphate attenuates NF-κB signaling in SZ95 sebocytes without affecting IL-6 and IL-8 secretionというタイトルの論文で、日本人皮膚科医が発表しています。この論文では、にきびの原因である皮脂を産生している皮脂腺細胞における炎症の仕組みを明らかにしています。そして、ビタミンC誘導体の一種であるAPSがサイトカインの働きを抑えることでにきび予防や治療に有効である可能性を示唆しています。

👉 **参考文献**:
[Archives of Dermatological Researchの論文はこちら]

美容液 vs サプリ vs 施術:ビタミンCの補充にはどれを選ぶ?

ビタミンC配合アイテムの選び方・濃度・使い方のコツ
理想的なのは、「内外からのビタミンCアプローチ」です。3種類の方法を組み合わせたスキンメンテナンスが重要です。定期的にクリニックを受診してお肌のメンテナンスをしましょう。

  • 美容液(外用):直接肌へ届け即効性あり。毎日の基本ケアに最適。
  • サプリメント(内服):全身の肌に作用。インナーケアに最適。
  • 施術(導入・注射):専門的で効果が高いクリニックでの治療。トラブル肌やニキビ予防に最適。

肌タイプ別:ビタミンC美容液のポイント
自分の肌質が気になる場合は、こちらの記事も読んでみてください。

  • 乾燥肌:ビタミンC以外にも保湿成分をしっかり含んだ製品を使用しましょう。
  • 脂性肌:ビタミンCで皮脂抑制効果が期待できます。              
  • 混合肌:部分使いで調整。乾燥しやすい部位には保湿を重ねて使いましょう。
  • 敏感肌:刺激が少ない濃度が低めの製品を使用。レチノール入り製品との併用は注意してください。      

名駅なぎクリニックでは、この最新研究を踏まえて、厳選されたビタミンC製品を取り扱っています。市販の化粧品に比べて高濃度・高浸透な処方・施術が可能で、確かな手応えを感じていただけます。

よくあるQ&A

Q. ビタミンCは毎日使って大丈夫?
→ はい、朝晩使用可能です(濃度と肌に応じて調整)。

Q. ピリピリするのはなぜ?
→ 濃度が高すぎる場合や肌バリアが弱っている可能性があります。保湿と低濃度製品を試しましょう。

Q. 妊娠中も使えますか?
→ 推奨された使用方法であれば基本的には問題ありませんが、敏感になっている時期は様子を見ながら使用してください。

当院でできるビタミンCスキンメンテナンス

名駅なぎクリニックでは、メソナJ(エレクトロポレーション)を用いたビタミンC導入を用意しています。メソナJベーシックコースでは、ビタミンC以外にもトラネキサム酸(くすみ・シミに効果)、ヒアルロン酸(保湿成分)も含まれ、ニキビ肌へのケア以外にも定期的な肌のメンテナンスに最適です。

まとめ

ビタミンCは“美白”だけじゃない!ニキビ根本ケアの最前線
にきびは「赤くなる前」にすでに始まっています。だからこそ、見えない炎症を見逃さず、予防的にアプローチすることが最も重要です。そして、そのアプローチの中でビタミンCほど多機能で効果的な成分はないと言っても過言ではありません。

皮膚科研究医として20年以上の経験を持つ研究医。遺伝性光線過敏症と早老症を専門とし、フランス国立研究所での研究を経て、名古屋大学特任准教授を歴任。2025年に名駅なぎクリニックを開業。日本皮膚科学会、日本再生医療学会、日本人類遺伝学会所属。科学的根拠に基づく個別治療とエイジングケアを提供している。

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