はじめに:なぜ肌診断が必要なのか
「化粧品を変えたのに肌が荒れてしまった」「スキンケアを頑張っているのに効果が感じられない」――そんな経験はありませんか?
その原因は、もしかすると自分の肌質を正しく理解できていないことにあるかもしれません。
肌質とは、皮脂の分泌量や水分保持力、外的刺激への反応性など、肌の持つ特性のことです。乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌など、大きく4つのタイプに分類され、それぞれに適したスキンケアの方法が異なります。
しかし、「自分がどの肌タイプなのか分からない」「なんとなくでスキンケアを選んでいる」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、名駅なぎクリニックの医師監修のもと、自宅で簡単にできる肌診断セルフチェックの方法をご紹介します。さらに、肌タイプ別のスキンケアのポイントや、必要に応じて医療機関へ相談する目安についても解説します。
セルフチェックを通じて自分の肌質を知ることで、スキンケアの精度が高まり、肌トラブルの予防や改善にもつながります。まずは、ご自身の肌と向き合い、「今の肌はどんな状態か?」を確認するところから始めてみましょう。
肌質の基本を知ろう
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肌質は大きく4タイプに分類される
肌質は、皮脂の分泌量や水分量、外的刺激に対する反応などによって、大きく以下の4タイプに分類されます。
- 乾燥肌:水分・皮脂ともに不足しがちで、カサつきや粉吹きが起こりやすい肌。
- 脂性肌:皮脂の分泌が多く、テカリや毛穴詰まり、ニキビが起こりやすい肌。
- 混合肌:Tゾーンは皮脂が多く頬や口周りは乾燥する、乾燥と脂性が混在した肌。
- 敏感肌:刺激に弱く、赤みやかゆみ、ヒリつきが出やすい不安定な肌。
多くの方は「自分は乾燥肌かな?」と感じていても、実は混合肌だったり、脂性肌に敏感肌の特徴を併せ持っていたりします。正しい肌質の把握は、スキンケアの方向性を決める上で欠かせないファーストステップです。
※ 日本皮膚科学会の情報も参考になります。
自分の肌質を知るメリットとは
スキンケアは「どれだけ良い成分が入っているか」よりも、「自分の肌に合っているか」が重要です。
例えば、脂性肌の方がリッチな保湿クリームを使うと、毛穴詰まりやテカリを悪化させてしまうこともあります。逆に、乾燥肌の方がさっぱりタイプの化粧水だけで済ませてしまうと、うるおいが不足して肌荒れの原因になることもあります。
そこで、自分の肌質を把握しておくことで、次のようなメリットがあります。
- 最適なスキンケアアイテムを選べる
- 肌トラブルの予防につながる
- 肌の変化に気づきやすくなる
- 化粧品選びに無駄がなくなる
肌は季節や年齢、体調によって変化します。今の肌状態を知ることは、トラブルを未然に防ぎ、理想の肌に近づく第一歩になります。
自宅でできる!肌診断セルフチェック

自分の肌質を知るために、日常生活の中で簡単にできるセルフチェック方法を3つご紹介します。
チェック方法1:洗顔後の皮脂観察
まず最も簡単な方法が、洗顔後の肌の変化を観察する方法です。
- 洗顔料を使って、丁寧に顔を洗います。
- タオルでやさしく水分を拭き取ったあと、スキンケアをせずに10〜15分ほど放置します。
- その後の肌の状態を観察します。
観察ポイントは以下の通りです。
- 全体的につっぱる感じがある → 乾燥肌の可能性
- Tゾーン(おでこ・鼻)がベタつく → 混合肌または脂性肌の可能性
- 顔全体がべたつく → 脂性肌の可能性
- 頬や目元に赤み・かゆみが出る → 敏感肌の可能性
特別な道具は必要なく、洗顔後の肌を「感じる」「観察する」だけで、自分の肌質のヒントが得られます。
チェック方法2:ティッシュでの油分テスト
皮脂の分泌量を簡単に調べる方法として、「ティッシュペーパー」を使ったチェックも有効です。
- 洗顔から15分ほど経ったタイミングで、顔にティッシュを軽く押し当てます。
- Tゾーン、頬、顎など数カ所に分けてチェックします。
- ティッシュに付着した皮脂の量を確認します。
判定の目安は以下の通りです。
- どの部分にも油がほとんどつかない → 乾燥肌の可能性
- Tゾーンのみ皮脂が多い → 混合肌の可能性
- 顔全体に皮脂がつく → 脂性肌の可能性
皮脂の量はスキンケアの選び方に直結しますので、このチェックも非常に役立つ指標になります。
チェック方法3:質問式セルフ診断(YES/NO形式)
以下の質問に「YES」がいくつ当てはまるかで、肌タイプの傾向を見ていきましょう。
■ 質問チェックリスト
以下の項目で、YESの数が最も多いカテゴリが、あなたの現在の肌質の傾向です。
- 乾燥肌チェック
- 洗顔後につっぱりやすい
- 粉がふいたり、皮がめくれやすい
- 化粧が浮きやすい、または乗らない
- 脂性肌チェック
- Tゾーンや頬がベタつきやすい
- 毛穴が目立ちやすい
- ニキビができやすい
- 混合肌チェック
- Tゾーンは脂っぽいのに頬は乾燥する
- 部分的に毛穴やニキビ、乾燥が同時に起こる
- 化粧水がしみる部位としみない部位がある
- 敏感肌チェック
- 季節の変わり目に肌トラブルが起こる
- 赤みやかゆみが出やすい
- 新しい化粧品で肌荒れしやすい
YESの数が偏る場合は、その肌質の傾向が強いと考えられます。ただし、あくまで簡易的な目安であることを念頭におきましょう。
肌タイプ別スキンケアのポイント

肌質を把握したら、次はそれぞれのタイプに合ったスキンケアを実践しましょう。肌タイプごとの特徴と、日常生活で意識したいケアのポイントをご紹介します。
乾燥肌の特徴とケア方法
乾燥肌は、水分も皮脂も不足しやすく、肌のバリア機能が弱まりがちです。放っておくと小ジワや炎症の原因になることもあります。
ケアのポイント:
- 洗顔は低刺激のものを選び、ぬるま湯で優しく洗う
- 洗顔後はすぐに保湿を行う(化粧水 → 乳液 → クリームの順)
- セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンなどの保湿成分が入ったアイテムを使用
- エアコンや暖房による乾燥を防ぐため、加湿器の活用もおすすめ
脂性肌の特徴とケア方法
脂性肌は皮脂分泌が活発で、ベタつきやテカリ、毛穴詰まりが気になる肌です。過剰な皮脂が酸化することで、ニキビの原因にもつながります。
ケアのポイント:
- 洗顔は朝晩しっかりと行い、余分な皮脂や汚れを取り除く
- オイルフリー、ノンコメドジェニックのスキンケア製品を選ぶ
- 保湿も忘れずに。さっぱりタイプのジェル状保湿剤が◎
- 毛穴対策として、週に1〜2回のクレイパックや酵素洗顔を取り入れる
混合肌の特徴とケア方法
混合肌は部位によって乾燥と脂性の両方の特徴を持ち、ケアが難しいと感じやすい肌質です。部位ごとに適切なケアを行うことが重要です。
ケアのポイント:
- Tゾーンは皮脂ケア、Uゾーン(頬・口元)は保湿を重点的に
- 洗顔後は肌の状態に応じて部分使いする(例:Tゾーンは化粧水のみ、頬はクリーム追加)
- 水分と油分のバランスがとれた保湿剤を選ぶ
- 季節や生理周期などで肌状態が変わりやすいため、スキンケアを柔軟に調整
敏感肌の特徴とケア方法
敏感肌は刺激に弱く、赤み・かゆみ・ヒリつきなどの肌トラブルが起こりやすい状態です。原因はバリア機能の低下や乾燥、体調の変化など様々です。
ケアのポイント:
- アルコールや香料、着色料などの刺激成分を避ける
- シンプルな処方のスキンケアを選ぶ
- 摩擦を避けるため、コットンやタオルの使い方にも注意
- 季節の変わり目やストレスの多い時期は特に肌をいたわる意識を
どの肌タイプでも、「こすらない・過剰なケアをしない・肌の声を聞く」という基本姿勢が共通して大切です。
セルフチェックだけでは不安な場合は?

ここまでのセルフチェックでご自身の肌質の傾向がつかめた方も、実際には「本当にこれで合っているのかな?」「最近肌の状態が変わった気がする」といった不安を感じることもあるかもしれません。
スキンケアの自己判断が難しいと感じた場合は、専門の医療機関に相談することも一つの選択肢です。
医療機関に相談すべきサインとは
以下のような状態が見られる場合は、肌トラブルの原因を見極めるためにも、一度医師の診察を受けることをおすすめします。
- スキンケアを変えても肌トラブルが改善しない
- 赤み・かゆみ・ヒリつきが慢性的に続いている
- 季節の変わり目ごとに肌の状態が大きく変わる
- ニキビや吹き出物が悪化している
- 乾燥やベタつきが繰り返し発生する
肌の状態は、生活習慣やホルモンバランス、ストレスなども関係する繊細な問題です。自宅ケアで解決しきれないと感じた場合には、適切な診断とアドバイスを受けることで、早期に改善が期待できます。
名駅なぎクリニックでの診療の流れとご案内
名駅なぎクリニックでは、皮膚のお悩みに関するご相談を丁寧にお伺いし、お一人おひとりの肌質に合わせたスキンケア指導や治療のご提案を行っています。
初めての方でも安心して受診いただけるよう、以下のような流れで診療を行っています:
- 問診・カウンセリング:肌のお悩みや現在のスキンケアについて丁寧にヒアリングします。
- 皮膚の状態チェック:必要に応じて医師が目視や触診で肌の状態を確認します。
- アドバイスと治療方針:肌タイプに応じたスキンケアの提案、必要に応じて外用薬や治療メニューをご案内します。
「自分に合うスキンケアを見つけたい」「肌質をきちんと診断してもらいたい」という方には、医療の視点からアドバイスを受けられることが大きな安心材料となります。
名古屋駅周辺で肌に関するご相談をご希望の方は、ぜひ名駅なぎクリニックをご活用ください。
よくある質問(FAQ)
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- 肌質は季節や年齢で変わりますか?
-
はい、肌質は加齢やホルモンバランス、季節の湿度や気温などにより変化することがあります。定期的にセルフチェックを行い、現在の肌状態を確認する習慣をつけるのがおすすめです。
- 敏感肌と乾燥肌の違いは何ですか?
-
乾燥肌は水分・皮脂が不足している状態ですが、敏感肌は刺激に対して反応しやすく、赤みやかゆみが出やすい肌のことです。両方の性質をあわせ持つ方もいます。
- 混合肌にはどんなスキンケアが最適ですか?
-
部位ごとにケアを分けるのがポイントです。Tゾーンには皮脂対策を、頬や口元には保湿を重点的に行うなど、部分的な調整が有効です。
- セルフチェックだけで正確に肌質は判断できますか?
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セルフチェックはあくまで目安として活用するのが基本です。不安がある場合や肌トラブルが長引く場合は、医療機関での専門的な診断をおすすめします。
- 医療機関に相談するタイミングの目安はありますか?
-
スキンケアを見直しても肌荒れが続くとき、赤みやかゆみが頻繁に出るとき、ニキビが繰り返すときなどは、早めに医師に相談することで、適切な対処が可能になります。
まとめ:肌質に合ったケアで、肌トラブルを未然に防ごう

肌のトラブルに悩まされる方の多くが、「自分の肌質をよくわかっていない」ことが原因のひとつです。この記事では、自宅でできる肌診断セルフチェックの方法や、肌タイプ別のケア方法をご紹介しました。
改めてポイントを整理しておきましょう:
- 肌質は大きく「乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌」の4つに分けられる
- 洗顔後の肌状態やティッシュテスト、質問形式の診断でセルフチェックが可能
- 肌タイプに応じてスキンケア方法を変えることが、肌トラブルの予防につながる
- セルフチェックで判断が難しいと感じたら、専門機関に相談するのがおすすめ
スキンケアは「肌に合っているかどうか」が何より重要です。まずはご自身の肌の状態を理解し、必要であればプロの力を借りながら、健康で美しい肌を目指していきましょう。
肌に関するお悩みやご相談は、名駅なぎクリニックでも随時受け付けています。お気軽にお問い合わせください。